QRP用のSWRメーターの製作

 QRP用のSWR計を作ります。参考にした書籍は、「トロイダル・コア活用百科(山村英穂)」です。大勢の方がこの書籍に内容で作成されています。Webでは、JG3ADQさんを参考にしました。

 部品数が少ないので空中配線でもいけそうですが、パターンも簡単なのでPPテープによるエッチングで専用基板を作成しました。基板は、使用するケース(タカチアルミケースMB1)に同軸コネクタ(BNC-J)を取り付けてコネクタのアースラグに半田で保持できるサイズに切り出してあります。

 1年以上前にエッチングしたまま、放り出しておいたタッパーを2重にしたエッチング漕です。あけてみると妙なにおいがしますが、腐敗するものでもないので問題ないと思います。エッチング液も透明度が悪くなりましたが、時間をかければいけそうです。外側のタッパーに熱湯を入れて湯せんしながらエッチングしました。雑なパターンですが綺麗にエッチングできました。

 SWR計の回路図です。書籍や参考にしたWebの回路とほぼ同じです。メーターは、100uAスケールの直流電流計が必要です。秋月電子で購入した100uAスケールのを用意したのですが、サイズが大きくてケースからはみ出します。共立電子で購入した500uAスケールの小型メーターを使用することにしました。

 部品数も少ないので簡単に完成しました。一部の部品はチップ部品を使用していますが、通常のサイズの部品でも問題ありません。50Ωの抵抗は高周波が加わるのでカーボン抵抗より金属皮膜抵抗が良いと思います。今回は手持ちの49.99Ωを使いましたが、51Ωでも問題ありません。

 FT-817NDと接続してダミーロードをつないで調整します。入出力を入れ替えながら反射波でのメータの振れが小さくなるようにトリマを調整しました。メーターが500uAなので、小さな電力ではフルスケールまで振れません。1Wでは、1.9MHzから50MHzまで問題ありませんが、0.5Wでは最大でもフルスケールの8割程度までとなります。よって、1W以下では、メーターからSWRが直読できません。ただし、メーターの指示値がリニアに変化すると仮定すれば、反射波でのメーターの指示値が進行波の指示値の20%以下であれば、SWRは1.5以下と考えることができますので、おおよその目安にはなると思います(実際にはメーターはリニアに変化しませんが・・・)。

 ケースを加工してコンパクトなSWR計が完成しました。メーターの文字盤はVU表示のままですが、SWRの目安をつけるには、このままでも十分です。時間があればリターンロスブリッジを使って比較検証して文字盤を作ることとします。

 7MHzのAMで1Wを送信してダミーロードのSWRを測定してみました。スイッチをSETにしてフルスケールとなるようにボリュウムを調整し、スイッチをSWRに切り替えたときがSWRの値です。当然ながらSWRでのメーターはほんの少し動くだけで1.0に近い値とわかります。

 接続したまま使用すると挿入損失が気になります。標準信号発生器と電界測定器を使って損失を計測してみました。50MHz0dBm入力時の損失は0.1dBmとなりました。144MHzでも0.3dBmと小さいので、接続したままの運用でも問題ないと思います。


 SWRが直読できるようにメーターラベルを作成しました。目盛りは抵抗を使って校正しました。市販のSWR計との比較でも大きな差はみられません。1WのQRPでも正しく表示できます。

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