広帯域高周波アンプの製作
TA4002Fを使った高周波プリアンプをRFツートーンジェネレーターを信号源として性能評価してみると歪なく使える最大出力が-7dBm程度とあまり大きくはありません。リニアアンプの入力に使えるように、もう少し出力の大きな広帯域高周波アンプを作ります。秋月電子のRFICコーナーから比較的安価で出力(P1dB)が大きくとれるMMG3H21NT1を選びました。
回路図は、データシートの30~300MHz用のサンプル回路とほぼ同じです。このMMICは出力が大きい(P1dBで20.5dBm)ので100mA程度の電流が流れます。5Vの3端子レギュレーターは78L05としましたが定格が100mAまでのものは厳しいかもしれません。一応、定格150mAのものを利用しましたが、SOT-89パッケージでの許容損失が500mWなので供給電圧が12Vの場合はギリギリです。電源ラインに入れる抵抗でうまく分圧する必要があります。
基板はPCBEでパターンを作ってCNCフライス盤で加工しました。この手の単純な回路の面実装基板は、設計から加工を含めても30分もあればできるのでお手軽です。
すべてチップ部品を実装してタカチのケース(MB5-4-7)に組み込みました。基板とコネクタ側は薄い銅板で接続します。手前が今回作成したものです。TA4002Fを使用した広帯域アンプと同じにしたつもりが入出力が逆でした。(直す気力なし。ついでに古いアンプのケースラベルのスペルミスも見つけた。)
スペアナで500MHzまでの特性を見てみました。トラッキングジェネレーターから0dBmを入力した場合のゲインは19dB程度でほぼフラットです。
RFツートーンジェネレーターの出力は-10dB程度なので、このアンプのIMD測定には不足します。とりあえず50MHzだけ見てみました。IM5が少し目立ちますが、これはRFツートーンジェネレーターの出力とほぼ同じなので、このアンプでIMDが悪化しているわけではありません。信号発生器から10MHzシングルトーンの-50dBm~10dBmまでを入力して出力特性を見る限り、リニアな領域は入力0dBmまでとなり、その時の出力は19dBm弱となりました。P1dBは20dB程度と見ていいのでほぼデータシート通りです。
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