ステップアッテネーターの製作その3

 ステップアッテネーターの製作その2で作成したものは、10dBステップなので細かな調整ができません。秋月電子で超高周波用RFアッテネーターチップを購入して1dBステップのアッテネーターを作ります。購入したチップは、1,2,3,6,10dBの5種類です。
 基板は、前回とほぼ同じものをCNCフライス盤で作成しました。アッテネーターチップは1mm角と非常に小さいので、チップを取り付けるところを少しだけ調整(間隔を狭くした)しました。作った基板の上の小さな黒い点がアッテネーターです。チップの実装はパターンの隙間をうまく使います。半田を流しておいたランドにピンセットでチップをもっていき過熱して一片を固定すればあとは簡単です。

 前回と同じようにタカチのケース(MB5-4-7)に基板を固定しました。

 手前が今回製作した1dBステップのアッテネーターで奥が前回作成した10dBステップのアッテネーターです。

 スペアナで特性を見てみました。下左画像は1,3,6dBを300MHzまでトレースしたものです。下右画像は、1+3+6の10dBとそれに10dBを加えた20dB、さらにすべてのスイッチを入れた22dBをトレースしたものです。200MHzを超えると減衰量の変化が大きくなります。

 APB-3でも測定しました。1dBステップで10dBまでと1dBステップで10dBから20dBまでです。かなり正確な減衰量が得られます。1MHz以下も0~1MHzの狭帯域で測定すればほぼフラットです。40MHz以上の変動はAPB-3の測定範囲外です。

 アッテネーターチップを使うことで簡単に正確なステップアッテネーターが作れます。ただ、このチップは定格電力が0.04Wまでとなっています。ある程度の余裕はあると思いますが+16dBm以上を長時間入力すると焼損する可能性があるので注意が必要です(焼けたらチップを交換)。

2件のピンバック

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