アンテナチューナーAT50とカーボン釣り竿アンテナ
2023年4月から数年ぶりの単身赴任となるので赴任先(共同住宅)でQRVできるように仮設アンテナを準備します。ロングワイヤーとアンテナチューナーでHFから50MHzまでのアンテナを考えます。アンテナチューナーは、現用中のデルタループアンテナで使用しているCG-3000があるのですが、これはこのまま使用するので新規に購入します。CG-3000もいいのですが値段が高いのでBanggoodでAT50というアンテナチューナーを購入しました。購入にあたってはjh4vajさんのこちらを参考にしました。購入価格は13000円程度でした。ちなみにAmazonでもATU-150という商品名で取り扱いがあります。コンデンサがチップ部品となっていたりリレーの色が異なりますが、ほぼ同じものだと思われます。
在庫が無かったようで、注文から1か月程度で出荷され、それから3週間程度で届きました。中国からの配送なので梱包状態が不安でしたが、過去、これほどすごい状態で届いたのは初めてです。梱包は薄いビニール1枚です。クロネコヤマト(国内の配送)の担当者が申し訳なさそうに品物の保証規定の説明書きとともに手渡してくれました。青いプラケースにも小傷が多くついていますが機能的には問題ないので気にしません。
組み立ては簡単です。基板そのものは完成済みなのでコネクタやアンテナ給電端子などの配線を行うだけです。屋外で利用する予定なので防水できないスイッチやDCソケットは取り付けません。電源は同軸ケーブルに重畳させるためにBIAS-T(バイアスティー)を準備します。ネットで情報を探せばいくつかの作例が見つかります。とりあえず手持ちの部品で作りました。高周波チョークのコイルは秋月電子の電源用220uHです。DCカットのコンデンサはAT50側が0.01uF/250Vをパラレルとしています。BIAS-T側も高周波チョークコイルに秋月電子の電源用220uHを使用してDCカットは0.01uF/2KVのパラレルとしました。
アンテナエレメントはネットの情報を参考にカーボンの釣り竿を使用します。これもjh4vajさんのこの記事を参考にしました。カーボンロッドそのものがエレメントとして動作するようです。釣り竿なら使用しないときは短くしてベランダに収納すれば目立つことはありません。アマゾンで10mのカーボンロッドを5000円程度で購入しました。カーボンロッドへの給電はのり付きの銅テープ10㎝を釣り竿に巻いてそこに普通の被覆銅線を半田つけしました。半田箇所に無理な力がかからないように被覆銅線を3巻ほど巻いています。銅テープ部分のカーボンロッドは念のためペーパーヤスリで塗装をはがしましたが、銅テープにのり付け面があるので導通が得られるかどうかは不明です。カーボンロッドエンド(手元側)との抵抗値は約35Ωとなっているので一応はDCの導通はありそうです。
カーボンロッドのベランダ等への固定は、釣り竿を固定する治具をアマゾンで購入しました。テストのためベランダに取り付けてAT50を接続しました。AT50のラジアルは、5mを2本、10mを1本の計3本を接続してベランダと屋根に適当に這わせています。
エレメントはベランダからは水平に伸ばしています。カーボンロッドはすべて伸ばすと先端が大きく垂れさがるので、7mの長さとなるように細い部分を抜いています。
無線機を繋いで50Wの出力でAT50のチューニング動作を確認しました。7MHzから50MHzまでしっかりと同調します。14MHzはSWR1.7までしか下がりませんが、それ以外はSWR1.5以下となります。なお、AT50は10W以上を入力しないとチューニング動作しません。したがってFT-817の5Wでは利用できません。同調がとれた状態でカーボンロッドを短くすると容量性のリアクタンスを帯びるためカーボンロッドそのものがエレメントとして動作していることが確認できます。参考までに、7MHz、14MHz、28MHz、50MHzのNanoVNAでの測定結果を示します。
実際に7MHzで50WのパワーでFT8で運用してみましたが普通に交信できます。受信は7MHzのフルサイズダイポールや14MHz以上でのデルタループアンテナと比較するとSの振れは悪くなりますが、国内局同士なら聞こえていれば交信できました。DXは、東アジア以外は聞こえていても届いていないようです(pskreporterで確認)。おそらく地上高が5m程度と極端に低いのも影響しているのでしょうか。単身赴任先は、鉄筋コンクリート住宅の4Fとなるので地上高は12m程度はありそうです。多少は良くなることを期待したいです。
2度ほど移動先で利用しましたが、FT-817の5Wでチューニング動作しないのは不便です。チューニングのためだけにリニアアンプを持ち歩くというわけのわからん状態です。ネットの記事を参考に進行波と反射波を検出するコアの巻線をデフォルトの12ターンから7ターンに変更してみました。5Wで動作するときもあれば動作しない時もあって不安定です。ネットの情報を漁っていると同じN7DDCが設計したATU-100ではEEPROMの書き換えで最低動作電力を書き換えることができるとのこと。
早速やってみました。懐かしのPICKit2を繋いでReadするとEEPROMも読み込まれます。ATU-100のEEPROMと同じ内容でした。最低電力を1Wとします。その他、安全のための最大電力を40W、検出部のコアの巻線数を7ターンに変更して書き込みました。
これでFT-817単体でチューニングがとることができるようになりました。ただ、周波数やアンテナのワイヤーの長さ次第では1Wでは動作しない場合があります。その場合も2.5Wを出力すれば間違いなくチューニング動作を行います。
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スクリュードライバーアンテナSD330について | henteko.org
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