3.5MHz用のマイクロバートアンテナの製作
※ATUを利用したデルタループアンテナに変更しました。2021-01-23
マイクロバートアンテナは、製作が簡単で再現性も良いため3.5MHz用も製作します。ラジエターエレメントのアルミパイプはホームセンターで購入してきました。18Φ(498円)と15Φ(496円)でともに長さ2mのものです。安く買えるのは良いのですがアルミの肉厚が0.8mmなので強風に耐えられるか不安があります。先端のゴムキャップも買いましたがアルミパイプよりも高価でした。
太い方のアルミパイプにカナノコで切り込みを入れてホースバンド(60円)で止めます。
3.5MHzで50W以上で運用する予定なので、RFチョークもFT240-43(ヤフオクで1050円)を使って作ります。1.5D-2VをW1JR巻で22ターンとしました。防水ケースに利用する塩ビパイプVU60にぎりぎり入ります。
LCメーターでインダクタンスを確認すると469μHとなりました。計算では3.5MHzでのリアクタンスが10kΩ以上となるので十分です。スペアナで減衰特性を確認すると3.5MHzで40dB以上、その他広い範囲で30dB以上あり1.9MHzでも使えるでしょう。
共振コイルはラジエターエレメントを固定する塩ビパイプ(VU40)に直接巻きます。いつものようにMicroVert Antenna Calculatorで計算すると40ターンとなりました。40ターンでインダクタンスを測定すると56μHと概ね計算通りです。インダクタンスが不足して後でつぎ足すのは大変なので最終的には2ターンを追加して42ターンとしました(いつもこれが余計)。
カウンターポイズの同軸は3D-2V(モノタロウで20m1590円)を16.6mとして共振コイルに芯線のみを接続しました。同軸の切り口にはシリコンシーラントを薄く塗って自己融着テープで防水します。同軸の外径と同じ径の穴を塩ビパイプにあけて、そこから引き出しているので、この状態で同軸は十分に固定されており抜けることはありません。
共振コイルを含めて自己融着テープで防水処理して、最後に物干し材用の熱収縮チューブで覆いました。アンテナの下のパイプは解体した144MHzの9エレ八木のブームパイプで約3.7mの長さがあります。そのブームパイプにアマゾンで購入したアンテナマウント金具を使って塩ビパイプを固定しました。
アンテナは、上部3段を取っ払ったタワーの残骸に固定しました。タワーのトップは約8mです。ブームパイプに余裕があるので、さらに高く上げることもできますが、ラジエターエレメントが弱そうなのでこれくらいにしておきます。RFチョークの塩ビパイプは2F軒下の外らんまに針金で固定しました。
最初はラジエターエレメントが最大長の3.8mで3.4MHz以下に同調していました。ラジエターエレメントを3mまで縮めても同調点が3.48MHzとなりました。ラジエターエレメントはできるだけ長くしたいのでコイルを1ターン少なくします(これが面倒)。再び測定しても3.5MHzのちょっと手前です。さらに1ターン少なくして結局、計算通りの40ターンとしました。この状態でラジエターエレメントを3.6mとしたところで目標の3.55MHzにSWRの最小点を持ってくることができました。
FT8の国内向け周波数3.531MHzと国外向け3.573MHzでのSWRです。おおむね良さそうです。
スペアナでリターンロスを確認しました(緑色の線はリターンロスが-14dBを示しておりSWRは約1.5となります)。3.5MHz以外に同調点はありません。カウンターポイズの同軸の取り回しでSWRが大きく変化します。RFチョークから1m以上垂直に同軸を垂らすとSWRはさらに低くなるのですが、反対に家族(嫁)のSWRが高くなります。
実際に使ってみました。当然ながら比較対象の7MHzのダイポールアンテナよりはSメーターの振れは良さそうに見えます。しかし、マイクロバートアンテナ(というよりは、我が家では垂直系のアンテナ全般)はノイズが多いので常にS3~5となっています。FT8のデコードは信号強度がS/N表示なのでダイポールと比較しても見た感じあまり変化はありません。休日の夕方から国内向けに20Wで20局ほどQSOしましたが普通に使えます。国外(といってもアジア圏)も50Wで5局QSOできましたが、CQを連呼しているS/N-10dB以下の局にはまったく無視されます(届いていない)。しかし、pskreporterでは北米に-5~-10dBで飛んでいることは確認できました。
2020-01-12
1か月程度使用してみました。FT8で国内250局とQSOしました。年末年始は平日オンエアしましたが、それ以外はほぼ週末のみです。聞こえる局は、ほぼB4(交信済み)となってきました。パワーは30~50Wまでで運用していますが、国内であれば十分です。時間帯によってはスキップゾーンとなってしまいますが、そういう場合は相手も聞こえないので問題ありません。ただ、S/Nが+で入感しており、CQを連発している局を何度コールしても取ってもらえないことがあります。おそらく、相手先のノイズレベルが高いがためにこちらの信号が埋もれていると思われます。・・というこちらもノイズでSメーターが常時3~5程度となっているので、こちらのCQに応答する局を無視する形となっていることがあるとおもわれます。
3件のピンバック
3.5MHzと7MHzの2バンドダイポールアンテナの製作 – henteko.org
1.9MHz用のマイクロバートアンテナの製作 – henteko.org
ATUを使用したデルタループアンテナの製作 – henteko.org
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