導通テスターの製作
基板化した回路が動作しない場合は、ちゃんと繋がっているか導通試験を行います。最近ではCNCフライス盤で基板加工するのですが、パターンを分ける溝が狭く、半田でショートすることが多いので、結構な頻度で導通試験をしています。
使用しているテスターで最もよく使う機能が音の出る導通試験です。ところが、この機能、ロータリースイッチを所定の位置に回して、さらに機能セレクトでアラーム鳴動を選ばないと利用できません。これが結構面倒です。また、このままでも自動パワーオフとなるのですが、その時のアラームも鬱陶しいので導通試験が終わると、ロータリースイッチをOFFの位置まで回しています。
導通したらアラームを鳴らすだけの簡単な導通テスターを作ることにします。ただ、自動パワーオフは、絶対にほしい機能なのでマイコンで制御します。マイコンはAVRのATTiny85を使用します。8ピンのマイコンは機能が豊富なPICに移行しようと考えていたので、在庫が多かったATTiny85を頑張って使い切ったのですが、また、購入してしまいました(エンドレス)。
回路図です。AVRはニッケル水素電池2本では安定動作しません。このため、DC-DCコンバータのHT7733で3.3V動作としました。導通はADCで検出します。ADCポートはダイオードクランプで保護していますが、回路構成に自信がありません。過電圧がかかると、おそらくDC-DCコンバータが故障します。測定対象回路の電源を切ってから利用する必要があります。
PCBEで基板パターンを設計して、CNCフライス盤で基板を加工しました。
部品を実装して消費電流を測定すると導通のアラーム鳴動させて7mA弱となりました。ニッケル水素電池で長時間の利用が可能です。
ケースは秋月電子のABS樹脂ケース(蝶番式の中)です。テストリードは、テストピンソケット・プラグ接続で先端はミノムシクリップとしました。
AVRのプログラムです。Microchip studioにCコンパイラはXC8を使用しています。
プッシュスイッチでパワーオンとなりLEDが点灯します。その後、導通試験を行わず放置すると5分で自動パワーオフとなります。手動でパワーオフすることはできません(電池を抜けばオフになります)。
ニッケル水素電池を利用した場合、過放電から電池を保護する必要があります。電池電圧をADCで監視して、2.2V以下になるとLEDを点滅させます。2.0V以下になるとパワーオフとなります。
導通時のアラーム鳴動はPWMで出力しているので好きな周波数に設定できます。ADCなので導通抵抗値による鳴り分けもできそうですが、ダイオードクランプしているので抵抗が小さい場合の検出が難しいです。とりあえず150Ω以下で鳴動するようにしています。